
せっかく検定試験を受けるのであれば、最上級を目指したいと思う人は多いはず。でも、韓国語の二大検定試験である、ハングル検定(1級)とTOPIK(6級)では、それぞれどちらの方が最上級のレベルを取るのが難しいのでしょうか?
それぞれの試験の特徴と難易度を比較してみました。
TOPIKとは?
まず、TOPIKという試験について簡単な概要を書いておきます✍
TOPIK(”Test of Proficiency in Korean” )は、韓国政府が実施している韓国語能力試験の略称です。
TOPIKには、レベル別にⅠとⅡがあり、それぞれ得点によって取得できる級が異なります。

6級を取るには、TOPIKⅡを受験して 230点 / 300点 以上の点数を取る必要があります。
問題形式としては、TOPIKⅠは「聞き取り」と「読解」だけでOKですが、TOPIKⅡになると、聞き取りと読解に加えて「ライティング」のセクションがあります。
それぞれ配点は、100点ずつです。


ハングル検定とTOPIKの違いは?
もう一つ有名な韓国語検定に「ハングル能力検定」がありますが、こちらは日本のハングル能力検定協会が「韓国語を勉強する日本人のために」実施している試験になります。
英語の試験で置きかえてみると、
TOPIK ≒ TOEFL、ハングル検定≒ 英検
といった感じでしょうか。
ハン検とTOPIKはどっちが難しい?
難しさのレベルでいうと、 ハングル検定1級はTOPIK6級の比ではないようです。
ハングル検定1級では、日常で普段使わないような難しい表現やことばも頻発かなり難しいようです。
合格率を見ても、ハングル検定の方が断然合格するのが難しい試験となっています。
◆ハングル検定1級の合格率(2019年秋季):17.8%
◆TOPIK6級の近年合格率:約70%
TOPIKの問題は、ハングル検定に比べると日常表現が中心なので、ハングル検定1級を目指すよりは、 まずTOPIK6級を目指すのが現実的なようです。
TOPIKにはスピーキングがない!
また、試験内容についてもTOPIKとハングル検定には違いがあります。
ハングル能力検定1級では、1次試験に合格すると「2次面接」があります。
時間は1人約15分間。評価は5段階でS、A、Bであれば合格。C、Dは不合格です。5級~2級では、面接はありません。
一方、現在TOPIKにはスピーキングの試験ありませんが、2023年にスピーキング(말하기)が導入される予定とのことです。
受けるなら、今のうちかもしれません・・。
TOPIK6級の難しさって、どれくらい??
TOPIK6級を取るのはハングル検定1級に合格するよりは簡単そうだ、ということが分かりましたが、実際、6級ってどれくらいの難易度なんでしょうか?
TOPIK6級のレベルについて、もう少し詳しく調べてみました。
★TOPIKのホームページでは、級別の認定基準を下のように提示しています。
これによると、 6級レベルでは、全般的なテーマだけでなく、専門分野で実務をするために必要な韓国語レベルが求められています。
うーん、その説明だけだといまいちピンときませんね。
ということで、過去問から読解のサンプル問題を引っ張ってきて、実際どういった問題が出題されているのか見てみました。
TOPIKⅡの試験問題を見てみた!
まず、TOPIKⅡ(3~6級)読解の最初の方の問題(前半のほうが難易度が低そうなので)を一つ、グーグル翻訳にかけてみました。
<問4>

この問題は男女の会話文になっていて、「最後の女性のコメントに続いて男性が何と発言すると自然な会話になるか選択肢(4つ)から選びなさい」というものです。
とてもシンプルで、単語を知っていれば答えられそうです。
どうやら前半の問題は比較的短くて単語や表現も平易です。
後半の問題になっていくにつれて、文章がどんどん長く、使われる単語表現の難易度も上がっていきます。

次に、後半の難しい問題の一例として、読解の一番最後の設問をピックアップしてみました。
<問49~50>

グーグル翻訳も完ぺきではないのですが、和訳を読むとその難しさのレベルが感覚的に分かります。
この問題では「法と道徳」のテーマが扱われているのですが、日本語で読んでいても気を失いそうになりました。
「法と道徳」というテーマが個人的に私の体質に合わなかっただけかもしれませんが、日本語でもきっと2~3回は読み返したい内容ですよね。
この文章には、2つの設問が続きます。
①内容と一致するものを選択肢から選びなさい
②彼女(この文章を述べている人)の態度について正しいものを選びなさい
それぞれ、4つの選択肢から正しいものを選ぶ問題になっています。
後半の問題になってくると、扱われているテーマも重くてかなり難しそうです。
ただ、前半のサンプル問題でもわかる通り、TOPIKではこのレベルの問題が最初から最後まで出るということではないので、
前半~中盤の問題をしっかり押さえられれれば、点数を稼ぐことが出来そうです。
6級を目指すとなると、こういった後半の問題もある程度対応できるレベルになっていかないといけなさそうですが・・
まずは、基礎的な単語と文法をしっかり覚えて、その後で「頻出度の低い、けど難易度の高い単語」を徐々に覚えていくというのが良さそうです。
合格のカギは「タイムマネジメント」
TOPIKの読解の回答時間は70分なのですが、問題数が50問もあります。
けっこう多くないですか???
いろんな方のブログを見ていると、TOPIKの場合は、回答時間に対して問題数多いのでじっくり解いている時間がないようです。そのため、さっと内容を読み取って、問題をどんどん解いていくスピーディさが必要になります。
読む力は、練習問題や過去問を解いていくなかで自然と身に付くと思うので、ひたすら量をこなすしかないのかもしれません。
まとめ
今回は、TOPIK6級を目指すにあたって、TOPIKで6級を取ることが実際どれくらい難しいのかについてハングル検定との比較を交えて調べてみました。
結果、TOPIK6級という目標は、私のようにハングル検定3級に届かないレベルの人にとっても、目指して良いレベル(「おいおい、気は確かか?」とは言われない現実的な目標)だということが分かりました!
ハングル検定1級はかなり難しそうですが、 TOPIK6級についてはコツコツ頑張れば、努力が実を結びそうな試験のようです。
読んでくださったみなさんの韓国語勉強のモチベーションアップになれば、嬉しいです。